ジブリアニメの海外進出に関するニュース
2008年09月01日(月)00時12分
2008年8月31日付Screen Daily紙はポニョの批評を掲載しました。
映像的には、この映画は並外れている。想像力の点から言えば、この映画は大胆不敵である。宮崎駿は再び比類なき映画を作り上げた。人魚姫伝説の日本バージョンである「崖の上のポニョ」はかわいらしい、優しい、感動的な、そして常に楽しい映画である。
(興行成績について略)
ベネチア映画祭のコンペ部門で国際的にデビューしたポニョは、ありあまる豊かな色彩の嵐として輝くので、周りの全てのものを灰色に見せてしまうほどだ。冒頭のシークエンスは、宮崎が主人公である5才の宗介の心をあまりにも正確に描いているので、幼稚園で見かける虹色の絵の中を旅しているような気になる。
しかしポニョは、伝統的なセルアニメーションのまったくの創造性、そのキャラクター造形(この映画の中の大人は全てリアルに思える)、老人と子供のやりとり、映画を通して発揮される自由な想像力、そしてなにより、宮崎がいまだに異なったものであろうとする冒険心、その全てのレベルにおいてフル回転である。弱点としては、アニメーションとしては101分はちょっと長すぎるし、第三幕はやや沈滞している(子供達によるボートの旅は特に焦点が合っていない感じだった)。また、たびたび破壊的になるポニョは、日本以外では子供向けとして受け入れられるのは明らかに難しい(しかし、ストレスを感じるとビールの缶を開けたり、助手席に座る5才の子供にシートベルトをするように言いながら車のスピードを上げて子供を何度も危険にさらすような母親は、平均的なアニメーション映画の中の母親よりずっと面白い。)
(ストーリー紹介省略)
ストーリーはシンプルであるが、大人を満足させるに充分以上のものを宮崎はポニョに込めている(アジア以外の市場では、おそらく大人が主な観客となろう)。老齢や環境問題、無邪気さと経験の対立、そして海そのものを主要なキャラクターにしてしまうという面白い実験など、ポニョはまったく衰えを見せない巨匠からの忘れがたい芸術的達成である。
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