ジブリアニメの海外進出に関するニュース
2008年08月31日(日)20時55分
8月31日付Telegraph紙はポニョの批評を掲載しました。
ヨーロッパの主要な映画祭で世界の名だたる監督たちと肩を並べられる作品をいつも生み出せるアニメーターなどまれである。しかし、母国では伝説であり誰もが知っている名前である宮崎駿はそうした人である。
宮崎はあの素晴らしい「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」を世に送り出したが、彼の新作、「崖の上のポニョ」は他の作品同様、子供のためのエンタテイメントであり、今回はハンス・クリスチャン・アンデルセンの「人魚姫」に大まかに基づいている。
(ストーリー中略)
しかし宮崎はアンデルセンのお話を膨らませ、宗介と彼の母リサとの素敵な関係や、喪失、別離、そして死といったものに対する子供の頃の恐怖、そして環境への関心を含んだストーリーを作り上げた。
期待通り、宮崎の手描きのイメージは見事であり、この映画は目のご馳走である。物やキャラクターは形を変える;ポニョの金魚の妹達は魚の形をした波になってぶつかり合う(シーンは)息を呑む。
作画能力は呆然とするほどであり、センチメンタリティや甘ったるい音楽に頼ることなく子供の感情の極限を描くことが出来る宮崎の能力は感嘆に値する。
もしこのアニメーションの名作で宮崎が金獅子賞を受賞するのであればそれは驚きだが、しかし大きな驚きではない。
ベニス映画祭コンペ部門に出品されたアニメーション映画二本のうちの一本目、宮崎駿の「崖の上のポニョ」はこれまでのところつまらないラインナップの中にあって、喉を潤す清涼の一服である。「ポニョ」は3歳から100歳までの子供を喜ばせる素晴らしいファンタジーと魅力に満ちた作品だ。
(ストーリー中略)
現代日本の背景がアンデルセンの物語をより身近なものにし、CGIがまったく使われていないこと-この映画は全て手描きである-がこの映画の子供のような魅力を際立たせている。宮崎の豊かな想像力によって、日常世界と魔法の世界は混じりあう。そしてどちらの世界も驚異に満ちている。多分、彼の想像力が最もよく反映されているのは彼によって生きた脈動するキャラクターへと変えられた海そのものであろう。別のレベルでは、海は陸に押し寄せる無意識を体現しているのかもしれない。宗介とリサ、ポニョとその輝く海の母の優しい母子関係は、深く心の琴線にも触れる普遍性を持っている。
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