ジブリアニメの海外進出に関するニュース
2005年03月31日(木)22時27分
3月29日付San Jose Mercury News紙は、最近の韓国映画の隆盛についての記事の中で、「シュリ」のカン・ジェギュ監督はハリウッドや香港のアクション映画と並んで、黒澤明、伊丹十三、そして宮崎駿の映画が好きだと述べています。
また、3月11日付Boston Globe紙は、「ロボッツ」の批評の中で、「2003年に(同じくブルースカイスタジオで制作された)「アイス・エイジ」はアカデミー賞アニメーション映画部門で宮崎駿の「千と千尋の神隠し」に負けた。そして「ロボッツ」の製作者たちはこのアニメ映画作家(宮崎)からいくつかの映像的なアイディアを得たように見える。「ロボッツ」は宮崎の映画ほど奇抜でも、恐ろしくも、美しく見えもしないし、環境問題に対する意識が高くもない。しかし、「ロボッツ」は宮崎映画の夢想性を持っている。もっとも独創的なピクサーでさえ、それはできない」と述べています。
「アイス・エイジ」と「ロボッツ」のクリス・ウェッジ監督は宮崎アニメのファンであり、ブルースカイにも宮崎ファンは多いので、映画にその影響が出ていることは十分考えられます。
2005年03月31日(木)22時13分
パリで開催されている宮崎・メビウス博は、好評につき3月13日までの予定を延長し、4月17日までの開催となりました。
2005年03月31日(木)01時43分
ニールセンビデオスキャンのデータによれば、「ナウシカ」は2月26日の週の米国DVD売上ランキングで初登場14位、「猫の恩返し」は47位、「紅の豚」は49位であったとICV2.comは報じています。「ナウシカ」の売上は発売3週間後の「シャークテイル」の20%、「猫の恩返し」は6.58%、「紅の豚」は6.54%でした。
翌3月5日の週は、「ナウシカ」は30位で、その週に発売されてランキング1位となった「バンビ」の2%以下の売上でした。「猫」と「紅の豚」は50位以内に入りませんでした。
なお、この二週間でランキング入りした日本製アニメはこの3本だけでした。
2005年03月06日(日)00時00分
3月6日付Daily Variety紙でRobert Koehlerは「ナウシカ」他のDVDをレビューしました。
同世代で最も想像力にあふれ才能がある日本のアニメーター宮崎駿は、本当はそうではないのに受け入れられてしまっているあのもっともらしいフレーズ、「日本のディズニー」として米国では知られるようになった。米国では未公開の宮崎の二作品――監督第二作の「風の谷のナウシカ」(1984)と彼の最も評価されていないが最も個人的な映画である「紅の豚」(1992)――のディズニーによる発売は、このフレーズを裏付けるもののように見える。若いキャラクターたちのファンタスティックな冒険を監督が好むこと、彼のすばらしく成功しているスタジオジブリが金銭上、制作上のパートナーシップをディズニーと組んでいることを考えれば、駿をウォルト(ディズニー)と直接比べるのは自然である。
(宮崎がディズニーと似ていると)そう言ったからといって、そうだということにはならない。そして今回発売された(宮崎の)作品とジブリが制作した「猫の恩返し」を見れば、何よりそれは明らかである。「猫」は宮崎のアイディアに基づくが森田弘幸が監督した2002年の作品で、今回発売された作品の中で、典型的なディズニーアニメーションと比較できる唯一の作品である。
(中略)「猫」はこの三作品の中ではるかにレベルが低く、最も若い女の子に向いた作品である。それは宮崎に世界的な大ヒットをもたらした広い層にわたる大衆という観客層ではない。
そのかわりに、宮崎ファンやアニメーションファンは「紅の豚」と「ナウシカ」に注意を向け、そしてこれらの作品を見ながら、なぜそれらがビデオ発売される前に劇場公開されないのかと疑問に思うべきである。 元第一次世界大戦のエースパイロットの賞金稼ぎで人間の体に豚の顔を持つ、題名にもなっているキャラクターが、空賊を警戒してアドリア海を飛び回るという素晴らしく面白い「紅の豚」に関しては、特にそうである。
もしこの映画が家のテレビに収まるには大きすぎると感じるなら、それは「紅の豚」が映画館のスクリーンで見るように作られた素晴らしく豊かな(主に大人と年長の子供向けの)映画らしい映画であるからである。ディズニーがこの映画をやっと発売したことは褒められるべきだが(しかしフランスでは1999年からDVDで見ることができたのだが)、ちゃんとした劇場公開を避けたことについては真剣に叱られるべきである。
この映画は宮崎の最も素晴らしい業績のひとつであるばかりか、宮崎の飛行への愛(ナウシカ同様、ポルコも空を飛んでいるときが一番輝いている)、政治的な懸念(ここではファシスト政権下のイタリアが、同様に1930年代にファシスト政権下にあった日本の代わりになっている)、そしてボガートとハワード・ホークスの映画にうまく影響されているとはいうものの、われわれの世界に似た非ファンタジーの世界が、彼のこれまでの作品の中ではもっとも完全に表現されている。さらにいいことに、英語版(日本語オリジナルよりもずっといい)では、ポルコを演じるマイケル・キートンがこの俳優のこれまでで最も面白く記憶に残る演技をしている。
対照的に、「ナウシカ」はもっとなじみのある作風である。人間がこの惑星を破壊する力についての寓話としてはもっと良い作品である「もののけ姫」以前の作品として、この冒険映画は、動物への深い愛を持った少女が、近隣国の戦士達や巨大な芋虫のような昆虫の大群から彼女の牧歌的なふるさとを守る話である。宮崎の最初のヒット作はこの巨匠の当時まだ発展途上のスタイルを垣間見ることができるという点で、終盤のストーリー展開がはっきりしないにもかかわらず、面白い。アリソン・ローマン、パトリック・スチュワート、ケーリー・エルウィス、ユマ・サーマンによる声の演技はすばらしい。
(後略)
2005年03月06日(日)00時00分
Entertainment Weekly誌3月11日号で、Ty
Burrは「ナウシカ」のDVDにA評価を与え、「ナウシカ」は「強いヒロイン、悪人がいないこと、地球の環境の脆弱さに対する終末観など、宮崎の(映画によく見られる)要素を併せ持った最初の映画である。アニメーションは一部古びているものの、ナウシカは監督の映像美に対する感覚をフルに表現した最初の映画である」と述べています。「ナウシカ」は「フランク・ハーバートの砂の惑星を振り返り、宮崎のもののけ姫へとつながる、ティーンかそれ以上向けのファンタジー」であり、「となりのトトロで乳離れした幼児には向かない」としています。
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